本当にこの人なのかな?

みきは悩んでいた。今の彼と結婚してよいのだろうか。

1年前から付き合い始めた信二は、誠実な商社マン。見た目も悪いわけではない。

条件的には申し分のない男だ。

だけど最後の決め手がない。この人だ!という感覚がない。

 

 

 

 

みきは広告代理店で働く6年目。

上司からも評価が高く、仕事は順調。

外見も中の上というところだろうか。

派手すぎない見た目が逆に好感を生み、割ともててきた。

 

 

 

 

みきの周りは次々に結婚を決め、

周囲に残っているメンバーを見ると気が強いバリキャリ系ばかりだ。

 

 

 

 

「私は髪を乱して、女を捨ててまで働きたくない。」

 

 

 

 

 

みきは彼女たちを見るたびに思う。

 「『自分』がすり減っている。なにを追い求めて必死になっているのだろう」と。

 

 

 

徹夜で仕事をし、目の下にクマを作って、肌もあれ、

必死に高級化粧品で補おうとする。

 

 

毎日パソコンに向かって肩が凝り、姿勢が悪くなり

高級エステと有名な整体に走る。

 

 

 

職場では男性と対等にやりあいたいくせに、

自分の弱さを知っているからだれか甘える人がほしい。

毎週金曜日、仕事でボロボロの体を整えてお食事会で笑顔を振りまく

土曜日は疲れ果てて昼まで寝る。

 

 

 

 

そんな一週間が永遠に繰り返している。

 

 

 

 

 

みきも同じような毎日を繰り返していた。

 

 

 

 

流されるままに流されて毎日必死に「幸せ」とやらをつかもうと

ただ「頑張っている」つもりでいたらこのような過ごし方になっていたのだ。

 

 

 

 

このままがむしゃらに走った先に何があるんだろう。

一度立ち止まる必要がある。

 

 

 

信二からのプロポーズをきっかけに、みきは自分にとっての幸せがわからなくなった。

 

 

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今の時代を生き抜く働く女性はだれでも思う感情なのではないだろうか。

「幸せ」に向かって走っていたつもりが何を追っていたのかわからない。

自分がほしいものは何かを理解しないまま、

会社の中での評価を追い求め、

社会的な「幸せ」を自分に当てはめようと必死になる。

 

 

 

でも、一度立ち止まって考えてほしい。

 

 

 

週末の1日でよい。

自分がほっとする場所で自分に問いかけてほしい。

 

 

 

 

  • 今、心からワクワクしているか?
  • 今、幸せだなって思えるか?
  • 他人の幸せと自分の幸せをはき違えていないか?

 

 

 

 

 

その冷静さを取り戻してからもう一度彼を見る。

これから何十年もともにする約束をする彼を。

 

 

 

 

条件や周囲の評価に惑わされず、自分に問いてほしい。

  • 彼といてどれくらい笑えるか
  • 彼から何をもらいたいではなく、彼に何をしてあげたいと思うか
  • 彼の笑顔をいとおしいと思えるか
  • 自分の弱い部分を見せたい、見せてもよいと安心できるか

 

 

 

結婚は彼に幸せにしてもらうことではない。

 

 

 

2人の自立した人間が一緒になって、ある意味「自由」を手に入れることだと私は思う。

 

 

お互いのサポートがあるから、チャレンジできる。

味方がいるから、前よりも自分らしく生きていける。

 

 

 

そういう感覚になれる人を見つけたら、この人だ、と決めるべきなのではないだろうか。